2016年7月19日火曜日

新制度(総合型DB)の解説:負担と給付のバランス③
赤字給付』の原因、特別掛金は、何のため、誰のため?


特別掛金とは、過去に発生した積立不足分を穴埋めするために負担するものであることは、先の投稿(7月7日分)でご説明のとおりです。
積立不足ということは、今後の年金支給に必要な資金が不足しているということなので、穴埋めをしなければ、今の受給者への年金給付、あるいは今の加入員が将来退職して受給者になったときの彼らへの年金給付が、出来なくなるということです。

特別掛金は「財政再計算」によって計算・設定されますので、直近で財政再計算を行った平成26年度末(平成27年3月期)の状況を振り返ってみましょう。
[平成27年9月18日 第98回代議員会報告資料より]



平成26年度末の財政再計算の結果、特別掛金29‰(基本特別掛金22‰、加算特別掛金7‰)を平成27年4月から向こう16年間(平成42年度まで)負担することになりました。この16年間に支払われる特別掛金総額を現在価値に引き直すと(未償却過去勤務債務残高)、総額210億円62百万円になることが分かります。

つまり、特別掛金は、財政再計算時点での積立不足額を長期間で償却(穴埋め)するために設定された追加負担分で、平成26年度末での不足額(償却対象)は約210億円に上っていた、ということです。これは、受給者約14千人、加入員約17千人に対して、基金からの年金給付を将来にわたって保全するために必要ということです。

(次に続く)

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