2016年7月10日日曜日

新制度(総合型DB)の解説:負担と給付のバランス①

加入期間&平均標準報酬別の給付(年金・一時金)と負担のバランスを見てみます。(説明会資料10頁)なお年金額は給付総額が最大になる20年確定年金の場合とします。

■60歳資格喪失(退職)、60歳支給開始の場合;

加入期間10年(50歳で中途入社、60歳で退職の社員);
平均標準報酬30万円の場合
   ①給付額;脱退一時金664,600円、または年金20年分総額808,000円
   ②負担額(掛金総額);30万円×4.5%×120ヶ月(10年)=162万円
 ①-②⇒給付額66.5万円~80.8万円vs負担額162万円▲95.5万円~▲81.2万

平均標準報酬40万円の場合 
   ①給付額;脱退一時金886,100円、または年金20年分総額1,078,000円
   ②負担額(掛金総額);40万円×4.5%×120ヶ月(10年)=216万円
 ①-②⇒給付額88.6万円~107.8万円vs負担額216万円▲127.4万円~▲108.2万


加入期間20年(40歳で中途入社、60歳で退職の社員);
平均標準報酬30万円の場合
   ①給付額;脱退一時金1,329,100円、または年金20年分総額1,616,000円
   ②負担額(掛金総額);30万円×4.5%×123ヶ月(10年3ヶ月)*特別掛金期間
                +30万円×1.4%×117ヶ月=215.2万円
 ①-②⇒給付額132.9万円~161.6万円vs負担額215.2万円▲82.3万円~▲53.6万

平均標準報酬40万円の場合
   ①給付額;脱退一時金1,772,100円、または年金20年分総額2,154,000円
   ②負担額(掛金総額);40万円×4.5%×123ヶ月(10年3ヶ月)*特別掛金期間
                +40万円×1.4%×117ヶ月=286.9万円
 ①-②⇒給付額177.2万円~215.4万円vs負担額286.9万円▲109.7万円~▲71.4万



加入期間30年(40歳で中途入社、60歳で退職の社員);
平均標準報酬30万円の場合 
 ①給付額;脱退一時金1,993,700円、または年金20年分総額2,424,000円
 ②負担額(掛金総額);30万円×4.5%×123ヶ月(10年3ヶ月)*特別掛金期間
               +30万円×1.4%×237ヶ月=265.6万円
①-②⇒給付額199.4万円~242.4万円vs負担額265.6万円▲66.2万円~▲23.2万

平均標準報酬40万円の場合 
  ①給付額;脱退一時金2,658,200円、または年金20年分総額3,230,000円
  ②負担額(掛金総額);40万円×4.5%×123ヶ月(10年3ヶ月)*特別掛金期間
               +40万円×1.4%×237ヶ月=354.1万円
①-②⇒給付額265.8万円~323.0万円vs負担額354.1万円▲88.3万円~▲31.1万


60歳退職・60歳支給開始の場合、加入期が10年・20年・30年いずれの場合でも
社員の受取金額(一時金・」年金)が、会社の掛金総額を下回るいわゆる
『赤字給付』になることが分かります

本来、企業年金制度は、社員の退職後のために、毎期の収益の中から給与・賞与に
次ぐ第3の賃金として積立するものです。社員への支給額が会社の拠出額を下回る
ようでは、積立方式になっていないのではないでしょうか。

(次に続きます)



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